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星逢いの灯台守
第2章 忘れ得ぬひと
婦人科クリニックを出た澄佳の頰にようやく明るい血の気が射してきた。
…けれどまだ、家に帰りたくないと哀しげに呟く澄佳の震える手を握り…その美しくも哀愁に満ちた瞳を見て告げた。
「…お願いがあります。
今日だけ…今日一日だけ、僕を貴女の恋人にして下さい」
「…え?」
「…今日だけでいいのです。
今日だけ、貴女を独り占めさせてください…」
「…宮緒さん…」
澄佳は返事の代わりに、強く手を握り返してくれたのだ。
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