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星逢いの灯台守
第2章 忘れ得ぬひと
「…社長…」
片岡の冷ややかな眼差しが柔らかく甘く解ける。
眠る澄佳の透き通るように白い頰を愛おしげに指先で触れる。
「…愛人なんかじゃなく、ちゃんと愛してやりたかった。
結婚してやりたかった。
澄佳がそれを望んでいることも感じていた。
…けれど気づかないふりを続けた。
麻季子の実家の後ろ盾を失いたくなかった俺は、それを叶えてやることはできないからだ。
澄佳と麻季子の実家…両方とも手放したくはなかったんだ。
それが可能だと思い上がっていた。
俺の下らぬ虚栄心とプライドが二人の女を不幸にしたんだ…」
片岡の声が苦渋に滲んだ。
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