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星逢いの灯台守
第3章 空蝉のひと
「…宮緒様、生憎ですが今夜はライオンズクラブの団体様の宿泊が入っておりまして…空きのお部屋が一室しかないのです…」
フロントに立つ、古くから顔見知りの女将が申し訳無さそうな表情で宮緒に告げた。
「…そうですか…」
小さな港町の小さな旅館だ。
まさか満室とは思わなかった。
タイミングが悪かったようだ。
…仕方がない。
「では、私は他のビジネスホテルを当たります。
こちらの方にチェックインの手続きを…」
言いかけた言葉尻に、密やかな…けれど凛とした意思を感じる声が重なった。
「…いいえ。ご一緒のお部屋で大丈夫です」
宮緒は眼を見張り、女を振り返った。
「…貴方が…お嫌でなければ…ですけれど…」
弱々しい消え入りそうな声だった。
…そして、二人の関係を興味津々に見守る女将の眼差しに気付く。
宮緒はこれ以上、女を他人からの好奇心の眼に晒したくなくて、極めて事務的な口調で告げた。
「では、その部屋を2名でチェックインをお願いします」
フロントに立つ、古くから顔見知りの女将が申し訳無さそうな表情で宮緒に告げた。
「…そうですか…」
小さな港町の小さな旅館だ。
まさか満室とは思わなかった。
タイミングが悪かったようだ。
…仕方がない。
「では、私は他のビジネスホテルを当たります。
こちらの方にチェックインの手続きを…」
言いかけた言葉尻に、密やかな…けれど凛とした意思を感じる声が重なった。
「…いいえ。ご一緒のお部屋で大丈夫です」
宮緒は眼を見張り、女を振り返った。
「…貴方が…お嫌でなければ…ですけれど…」
弱々しい消え入りそうな声だった。
…そして、二人の関係を興味津々に見守る女将の眼差しに気付く。
宮緒はこれ以上、女を他人からの好奇心の眼に晒したくなくて、極めて事務的な口調で告げた。
「では、その部屋を2名でチェックインをお願いします」