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星逢いの灯台守
第1章 名も知らぬ薔薇
「…君は、綺麗な貌をしているんだな」
素直に感心したような声…。
クールな貌が少し綻んだ。
「…お互い、親父に似なくて良かったな」
可笑しそうに笑い、すっと指を離した。
「…は、はあ…」

クラシカルな黒い制服を着たウェイトレスがオーダーを取りに来た。
ちらちらと片岡を眩しげに見ているのに気づき、片岡はやはり人目を惹く美男子なのだと改めて思った。

ぼんやりしている宮緒の手から片岡はメニューを奪い、すらすらと伝える。
「…クラブハウスサンド、フレンチフライ、メープルパンケーキ…それからマンゴージュースを頼む」

メニューを閉じながら、驚いている宮緒に目配せしてみせた。
「…しばらく修道士の食事だからな。
栄養補給しておけ」

「…は、はい!…あ、あの…ありがとうございます…!」

…兄弟…ってこんな感じなのかな…。
宮緒の胸が、ふんわりと温かくなった。
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