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星逢いの灯台守
第3章 空蝉のひと
…障子の向こうの激しい雨風は、いつのまにか止んでいた。
打ち捨てられた女の上質な露草色の着物、銀鼠色の帯が畳に乱れ散っている。
…そして二人の体液でしっとりと湿った褥にうつ伏せで死んだように横たわる女の白く浮かび上がる美しい裸体…。
…白い綸子の肌襦袢が女のなけなしの理性の欠片のように、その美しい曲線を描く臀部に纏わり付いていた。
宮緒はつと女の華奢な足首に手を伸ばす。
女のほっそりとした白い脚がびくりと動いた。
「…足袋を履かせたままだったね…。
ごめんね…」
…一糸纏わぬ裸に白い足袋姿は余りにも倒錯的に淫らに宮緒の眼に映った。
「…あぁ…」
…まだ夢うつつの状態の女は、唇を薄く開き吐息を漏らしただけであった。

宮緒は優しく足袋のこはぜを外し、女の脚を露わにした。
…夜目にも白く輝く美しい小さな脚…。
そのつま先に宮緒は唇を当てた。
「…あ…」
女の唇から無意識の声が漏れる。
「…貴女はつま先まで綺麗だ…」
桜貝を嵌め込んだような爪先にキスを落とす。

「…はぁ…っ…ん…」
…揺らめく埋み火のような快楽が、女の中から微かに蘇ったのだろう。

「…もう一度、愛し合おう…」
宮緒はまだ夢うつつの女の肩に触れ、そのしっとりと湿った麗しい身体を返した。
「…も…できな…い…」
弱々しく抗う女の唇をゆっくりと貪る。
白い脚を押し開き、些かの衰えも見せぬ硬く勃ち上がった牡を女の花芯にじっくりと埋め込んだ。
「…んっ…!…ああ…い…や…ぁ…」
宮緒の幾度も放った白い牡液が滴り落ちる花芯は柔らかく蕩け、男をいとも容易く受け入れた…。

「…ああ…はい…っ…て…」
「…何度もしたから…貴女の中はとろとろだよ…。
…ほら…すぐに奥まで挿入った…」
女の腰を揺すり上げ、最奥まで滾る牡を突き入れる。
「…あ…あぁ…おお…き…い…」
宮緒は小さく笑った。
「…いやらしい言葉も言えるようになったね…」
女はまだ夢から醒めぬまま、濡れた黒曜石のような美しい瞳を妖しく細めた。
その様は、さながら高級娼婦か花魁のそれであった。

「…もう何度貴女を犯したか知れない…」
…けれど、まだまだ貴女が欲しい…。
そう薄桃色に染まった耳朶に吹き込む。

…女は長く濃い睫毛を瞬かせ…誘うように微笑った。


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