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第4章 下賎の悦び
 もう少し……いえ、出来ることなら永遠と胸に触れておきたかったのですが、さすがにここらで止めることにしました。もう少ししたら駅に着く。ここらが潮時だと……。

 私は胸から手を離し、額にうっすらと浮かび上がった汗を手の甲で拭いました。

 そして一人火照った心を鎮めるため、静かに深呼吸をしました。

 ふう……と項垂れて見た視線の先に、女の下半身……。

 触って……さすって……と言わんばかりに開いた股……。

 私は腕時計で時間を確認しました。
 
 ……あと六分か……六分あれば。

 再び、女の恥部を隠した下半身に目を向けます。 

 どんな下着を穿いているんだろう。初々しいOLを装って、Tバックか? それとも派手な色のパンツか?

 手が、女のスカートに伸びていきます。少しずりあげて、下着を見てやろうと。

 その時、あ……っと思い付き、電光石火で自分の懐からスマートフォンを取り出しました。これでスカートの中を中身を撮って、今晩のオカズにしよう。下半身を触るような危険な橋を渡るより、盗撮した下着を見て愉しむほうがいいと思ったんです。

 カメラを起動させて、股の間に携帯を差し向けました。

 ゴクン……と、ここ一番で大きな息を呑みました。それは緊張の一瞬でした。顔が強張って、体が銅像のように固まった瞬間でもあります。

 ――パッ!

 フラッシュライトが強く煌めきました。

 ……やった! 撮った! 

 盗撮した写真を確認することなく、すぐに私はスマフォをしまいました。どんなのが撮れたのかは後のお楽しみというのもありましたが、それよりも、堰を切ったように溢れ出てきた一つの罪深い欲情が、私の理性を完全に吹っ飛ばしました。

 たぶん、胸を触ったことと、盗撮に成功したという事実が私のリミッターを外したんだと思います。
 
 興奮と快感が強い肉欲へと変わって、どうしても絶頂を味わいたくなったんです。  

 起きない……こいつ、これでも起きない。  

 熱くなった股間にたっぷりと血が注がれて、息子が起き上がりました。

 オナニー以外はくたびれているはずなのに、亀頭が下着を押し退けて、荒々しくチャックをノックしました。
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