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獣に還る時
第1章 獣に還る時
 夫は肩で息をしながら、ニヤリと笑みを浮かべる。


「この雌が……」


 普段は決して言わない言葉を投げつけた。人を犯す鬼畜の獣。人を喰らう静かなる欲情。夫の心はもはや、人間のそれではなくなっていた。


「どこがいいってんだ?」


 パンツの縦筋を掴み、陰裂に深く食い込むよう引き上げた。妻の反応はなかった。夫に弄ばれて、体がゆらゆらと揺れるばかりだ。


 夫は片手で妻の尻を、局部を舐め回しつつ、空いているもう片手で己の亀頭を撫でた。


 ガマン汁が溢れ出ている。陰茎をほんの少し擦っただけで、糸を引く液が滴った。


 ガマン汁にまみれた手を、澄ました顔で眠る妻の顔につけた。汁はスライムの如く彼女の頬に張り付き、部屋の明かり加減で光沢を放った。


 半分空いた口に指を入れた。いつもならここで舌を絡ませてくる妻だが、今は……。


 下半身を弄んでいた手を引っ込ませ、夫は妻の眼前に移動した。竿を彼女の鼻先で振り、墨につけた筆のように、ガマン汁を散らせる。


 亀頭を半開きの口に押し当てる。相手が咥えてくるわけでもないので、歯に筋裏を擦りつけ、舌に亀頭を滑り込ませた。


 妻の側頭部を手で固定して、腰をゆっくり、前後に振った。動かない妻の舌先に陰茎を這わせ、摩擦で快感を味わった。


「……ああ」


 夫は思わず声を洩らした。筋裏と陰茎に走る快楽と、亀頭に吹き付けてくる妻の息が気持ちよかった。



 陰茎の感覚が麻痺してくるほどフェラをさせた。イク寸前まで腰を振って、妻の口内はガマン汁と垂れっぱなしの唾液でビチョビチョだ。



 意識のないままフェラをさせつつ、夫は妻の胸元に手を入れた。



 ノーブラだ。垂れかけた乳の谷間に温もりを感じて、乳房を摘んだ。決して大きくない胸だが、感度は良い。柔らかくて、顔を埋めたくなってくる。


 夫は妻の顔から離れた。今度は上から覆い被さって、股間を下半身に擦りつけた。体を上下にスライドさせて、竿がスカートを上へ上へと押し上げる。破ったパンストの下から、Tバックの形にした真っ白なパンツが晒された。
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