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不倫のはて
第6章 もしかして・・・・
そう 彼だから
社内で誰よりも忙しく
誰よりも担当地域を
丁寧に回り
売り上げもコツコツと
伸ばしていった。
一年過ぎると
彼は昇進コースをたどり
本部研修や
海外出張やらで
とても忙しくなってしまった。
おまけに
私達5人を束ねていた
リーダーもはずれ
担当営業リーダーは
別の人に変わってしまった。
社内で直樹と顔を
会わせることは ほとんど
なくなってしまった。
直樹と私は
休みも合わせられなくて
会うことも
難しくなっていく。
そんなときでも
誠実な直樹は
メールはマメに送ってくれたし
電話でも
優しく 私をなぐさめ
「頑張ろうよ。
会いたいよ 俺も。」
「ヒナ 頑張って。」
いつも 優しく
温かな声で
私を包みこみこんでくれた。
彼の腕のなかで
抱き締められながら
暖かい大きな手で
頭をポンポンと
撫でてくれる
直樹の出来る限りの
想いを 精一杯
届け続けてくれた。