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不倫のはて
第8章 交差する時


 扉が スーと開いた。
人の気配を感じない。
コージは 警戒していた。
扉を開け 押してすぐ
声も顔も出さず 後ろに下がった。
部屋も真っ暗にして
身をひっそり沈めていた。


 警察の手が コージの身に
近づいていることは わかっている。

 戸惑っていると
声を潜めて
「入れ もたもたするな。」
その声に 促され
静かに部屋に入った。

 ベッドルームに行くと
「誰かに尾行されたりしてないかっ」
「誰にも尾行されてないと思う。」


 「ふん 裸になれっ」
「えっ」
「早く 裸になるんだよっ
わからないのか 早く裸になれっ」

 コージは 逃げたり抵抗したり
できないように 裸にしておきたかった。
そして もう一つ
全裸の女の首を絞めること
白い肌に
手を掛けたときの
恍惚感は 鳥肌がたつほどだ
全身の血液が逆流するほどの快感を得る。
麻薬のように 
他の物では得ることの絶対に出来ない
あの快感を得たい。


 「早く裸になれよっ
わからないのかよっ」
と 怒鳴った。
コージは異常な狂気を帯びた
ギラギラした目で 恫喝する。
あまりの恐怖で
手足がガクガク震えた。














 
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