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不倫のはて
第8章 交差する時


 車から出て ホテルに向かって歩き始めた。
このホテルは エントランスがおしゃれだ。
岩が積み重ねられ 上から滝が落ちていて
水しぶきがあがり 虹が薄くかかっている。

 今日のロビーは ビジネスマンや
綺麗にお化粧して同じ制服を身につけた美容部員の女性達がザワザワしている。
ロビーの右側のガラス張りのカフェで
コーヒーを飲んでいる人も多い。
その前をうつむき 人目を避け
急ぎ足でロビーを通り抜ける。
奥のエレベーターに滑り込むように乗った。
コージの待つ部屋に向かう。


 エレベーターの2Fボタンを押し
扉を閉めた。
エレベーターは 音もなく
ふわっと昇り 2階に着いた。
扉が スーとゆっくり開く。

 深く深呼吸をして
息をゆっくり吐き出す。
エレベーターから
ゆっくり足を踏み出した。
コージは危険な男だ。
行ってはいけない・・・・
ブーブーと
頭のなかで危険信号がなる。
心臓の音も 
ドキンドキンと
このひとけのない廊下に
響き渡るようだ。

 エレベーターから 数歩で
205室の目の前まで来てしまった。
扉を ノックした。
コンコン・・・・

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