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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第6章 会社の同僚「蛇塚さん」
「独占欲って、持たれたら嫌…?」
「さぁ、人によるんじゃない?
…あぁちなみに────」
そう言いながら私にゆっくりと覆い被さり、
額同士をくっつけながら囁かれる。
「────俺はすげぇ嬉しいし、独占欲の塊だけど。」
……心臓がドクンと波打つ。
さっき、白い馬のぬいぐるみが彼にそっくりだと言ったけど、全然違う。
この人は狼だ。
そっと啄むように口づけをされ、思わず肩が跳ねる。
かかる吐息が甘くてくすぐったい。
「ほら、先輩はどうなの?独占欲むき出しの彼氏は嫌?」
「…嫌じゃない。好き。嬉しい。」
首を横に振りながら答えると、
彼は柔らかく微笑み、
仕上げのようにまた一つキスを落とした。
「はい、じゃあ起きて。別の写真にしよ。」
私の手を引っ張って、体を引き起こしてくれる。
そっか、独占欲は持っててもいいんだ。
なんかすごくスッキリした。
…それよりどうしよう、わたし変なスイッチ入ったかも。
「ね、白馬くん、その……」
彼の服の裾を掴みながら声をかける。
「なに?どした?」
「え、えっと、あの……」
あぁ困った、無性に甘えたくてしょうがない。
けど、そういうのって(理性保ってる時では)自分から言ったことないから、なかなか言葉に出せない。
恥ずかしくて視線を下に落としていると、
彼が何かを察したように、
私の両頬に手を添えて無理やり上に向かせた。
パチンと視線がかち合う。
「ほら先輩、あの時約束したでしょ。しっかり俺の目を見て。」
────約束した。
それは、あの苺の件が終わったあと。
今回のようなことをまた起こさないようにと、
お付き合いをしていく上で彼がある約束を作った。
それは、たった二つだけ。
『俺にだけは全部ワガママをぶつけること。』
『その時、ちゃんと目を見て伝えること。』
…正直、ワガママを言わないことが癖になっているから、
まだ抵抗はあるし難しいのだけれど。
約束だから。
「ぎ、ぎゅって、して欲しい…です……。」
あぁ、恥ずかしくて声が震える。
彼は一瞬驚いた顔を見せるも、
すぐに柔らかく表情を戻し、
私の頬に添えていた手を離した。