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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第1章 名前は白馬。見た目は王子。
────待って待って待って。突然のことに頭が追いつかない。
えーと、つまりは20代の男と女がひとつ屋根の下で一晩過ごすということで。
それってあの、何をとは言わないけど最早お決まりな『あのイベント』が発生する可能性があるわけだ。何をとは言わないけど。言わないけど!
絶賛混乱中な私のことなど露知らず、白馬くんはホイホイと計画的に畳み掛けてくる。
「ね、いいでしょ?もうこの時間だとホテルもないし、タクシーで帰るにはお金がかかる。でも、俺ん家に泊まれば徒歩数分圏内にある上、寝床もお風呂も朝食も無料で付いてくるよ?」
くっ、仕向けられたとはいえ、なんて素敵なプレゼン内容…!
様々な選択肢を頭の中の天秤にぶら下げれば、迷う余地なくお泊まりが勝利した。
「…仕方ない、提案をのみましょう。」
キラキラな笑顔を向けた白馬くんと、契約成立(?)の固い握手を交わす。
大丈夫、一晩だけなら何も起こらないだろうし、第一こんな私に白馬くんが手を出すわけがない。というか彼女いるだろうし。うんそうだ、きっとそう!
脳天気な私はひたすら自分に言い聞かせ、ノコノコと彼の住むマンションについて行ってしまった。
────彼の明るい表情の裏で、何を考えているのかなど知らないまま。