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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第7章 小さな変化
────「へ、蛇塚さんお願いします……どうか、どうか私めに力を貸してください…!」
今日は休日。
お宝写真の件が無事終わり、
次は白馬くんとのデートが待ち構えております。
「写真を撮ってもいい代わりデートしてね」っていう
約束だったからね。
まぁそれはいいんだけど…
『あらあら、どうなさったの?』
「あのね、実はデートに着ていく服とかなんやらが全く分からなくて…。蛇塚さん女子力の塊だし、アドバイス聞きたいなって。」
なんだかんだちゃんとした(?)デートとか初めてで、
どうしたら良いのかわからない。
可愛いってなに?!
女の子らしいってなに?!
清楚ってなに?!
考えれば考えるほど迷宮入りしていくので、
思い切って電話で蛇塚さんに相談してみた。
『デート?!黒哉様と?!キャァァアなんって可愛らしい!それだけで心の潤いですわ……。
了解しました、では今から向かいますわ!』
────プツッ
「え、蛇塚さん?」
…切れた。
え、通話切れたよどういうこと?!
ただアドバイス貰えればそれで良かったのに、
今から向かうって蛇塚さん何する気?!
ひたすら呆気にとられていると、
突然家のチャイムが鳴り響いた。
ピンポンピンポンピンポンピンポーン
────ドンドンドンドン!
「なになになに?!なんか凄い勢いで鳴らしてくる!」
いやなんとなく誰かはわかるけど!
だってこの流れだもん!
にしたってさ!
「ユイさん、華ですわ!開けてくださいまし!」
来るの早すぎません?!
電話切れてから一分も経ってないよ?!
困惑する頭を抑えながらそっと玄関を開けると、
そこにはニコニコと笑顔で佇む蛇塚さんがいた。
「おはようユイさん、お部屋に上がらせて頂いても?」
「…うん、おはよう。何から何まで唐突だね、どうぞ。」
もうなにも考えないしツッコまないぞ。
ただでさえ朝で頭が回らないんだから。
とりあえず彼女を家に上がらせ、適当に座ってもらう。
ジュースとかないし、お茶でいいかな。
「よかったらどうぞ。ごめんね、麦茶くらいしか出せなくて。」
コップに注がれたお茶をテーブルに置くと、
彼女は慌てたように両手を横に振った。
「そんな、むしろお気遣いなんて結構ですわ!私が勝手にお邪魔してるんだもの。」