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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第7章 小さな変化
うん、彼女も行動がかなり突飛なだけで、
常識はちゃんと弁えてるんだよね。
なんというか、私の周りは行動力の塊の人多いなぁ。
「それで、どうして家に来たの……というかなんでこんなに来るの早いの?」
「あぁ!実はユイさんの家の近くのカフェにおりましたの!せっかくですし、どのような服をお持ちか確認しようと思いまして。」
なるほど、そういうことか。
納得した私はクローゼットから衣類を引っ張り出す。
女子力高すぎる彼女に服を見せるのは恥ずかしいけど、
仕方ない。
「うんとね、私こういうのしか持ってなくて。ちょっとシンプルすぎるでしょ?」
チュニックにワンピースにフレアスカート。
女性らしい型はあっても、小さな模様が控えめについてるだけで、あまりに単調だ。
それを見て、蛇塚さんは「ふむ」と顎に手を当てた。
「デートなら充分これで素敵だと思いますわ。柄物を好む男性は基本的に少数ですし。」
あれ、意外と好評だ。
蛇塚さんに褒められるの結構うれしい。
そんな、少し浮かれ気分でいたところ。
「ちなみに下着はなにを着けていかれるの?」
「はい?!」
唐突に爆弾発言を落とされた。
え、下着…なぜ下着……。
唖然としている私のことなどつゆ知らず。
彼女は無邪気に私を追い詰めていく。
「だって、大人な男女のデートと言いましたら夜までしっかり致すのでしょう?それならば、下着も同じくらい大切ですわ!
色っぽくて可愛らしいものを着ければ、黒哉様もお喜びになられるはず!」
確かにあの白馬くんが何もせず
そのまま帰してくれるとは思いませんけども!
えぇでも待って、
仮に色気満載の下着を着けてったら
期待してましたって言ってるようなものだよね…?
困惑する私を、蛇塚さんがキラキラとした目で見つめる。
うーん、これは見せるしかないのか。
「…これ、着けてこうかなって。」
手に取って見せたのは、
薄ピンク色のブラとショーツ。
どちらも申し訳程度にフリルがついている。
「地味ですわ。」
「ですよねー。」
真顔でバッサリ切られたよ。
なんとなく分かってはいたけども。
「でも私、こういうのしか持ってないよ?」
クローゼットに下着をしまいながら言うと、
彼女はさも当然のような口調で言葉を発した。