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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第8章 初デート
蛇塚さんとお買い物してから二週間後の今日。
とうとうやって来ました、
デート当日。
あのあと「メイクはこれがいい」とか、
「服はこれとこれ〜」とかって指導を施された結果、
ものすごく女性らしくなってしまった。
流石だよ蛇塚さん。
有り難いけど、普段の私と変わりすぎて
からかわれる域だよコレ。
待ち合わせ場所である駅前に向かうと、
そこには既に白馬くんと思わしき男性が立っていた。
いや、うん。確実に白馬くんだ。
さっきから女子の視線がすごいもん。
あと逆ナンされまくってる。
あの中に私が飛び込んでいくのか。殺されないかな。
「あの、白馬く……」
思い切って声をかけた、そのとき。
「ぁぁああ先輩助けてマジで女面倒くせぇ!」
愚痴を吐きながら勢いよく抱きついてきた。
まってまって、
逆ナンしてた子たちを前にそういうこと言っていいの?!
彼女達すごく呆然としてるんだけども!
「…あのー白馬くん。とりあえず人前なので離れて。」
「嫌です疲れました先輩遅い。」
わたし時間通りに来てるし、白馬くんが早いだけだよ多分。
うーんさて困った。
この機嫌を損ねた大きな子供どうしよう。
一人途方に暮れていると、
彼女たちからピシャリと鋭く言葉を投げられた。
「あの、あなた誰ですか?」
そ、それはこっちのセリフ────!
目つき怖い。視線が痛い。
「えぇっと、先輩です。この人の。」
とりあえず答える。
ここで彼女っていうと余計に修羅場になりそうだし。
すると、その言葉を聞いた彼女たちの表情がパアッと明るくなった。
「なんだ!それなら私達、今からそのお兄さんと一緒に……」
「ねぇユイ。」
…突如降ってくる、たしなめるような低い声。
私に抱きついていた白馬くんがゆっくりと離れ、
彼の手が私の頬を包んだ、そのとき。
────ちゅ
「んん?!」
まさかの人前で深く口づけられた。
必死に彼の胸を叩いて抵抗するも、
全くやめてくれる気配がない。
「んん!んんぅ…っ、ふ……」
「ん…、ちゅっ、ほら…言って?ユイは俺の…?」
熱っぽく、諭すような目で見つめられる。
これ、言わなきゃ絶対離してくれない。
「…彼女。」
あぁ、舌がしびれる。顔が熱い。