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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第8章 初デート
観念してそっと告げると、彼は満足したように微笑み、
もう一度私の唇にキスを落とした。
…彼の独占欲が、強くて甘い。
「はい、じゃあそういうわけなんで。
俺達もう行くね、バイバイ。」
呆然とする私の手を取り、颯爽と歩いていく白馬くん。
彼女たちの顔は見れなかったけど、
絶対とんでもない表情してたよ。
あんな風に見せつけられたら私でも困るもん。
「あの…白馬くん、ごめんね。ちゃんと彼女って答えれば良かった。」
「謝んないで。俺こそごめんね、いきなりキスしちゃって。」
白馬くんが前を向いたまま歩き続ける。
握る手と私に合わせてくれる歩調が優しい。
すると突然、彼がピタリと足を止め、
こちらを振り向いてきた。
口元を腕で隠して、肩が若干震えてる。
え、この人もしかして。
「ンンwwつか先輩wwwなんで今日そんなに女の子っぽいのwwww」
ァァァァァほらやっぱり笑ってる!
絶対からかってくるとは思ってたけど、
ホント期待裏切らないなもう!
「蛇塚さんにアドバイス貰ったらこうなったんだよ……自分でもどうしたんだろうってレベルで女の子らしくなっちゃったけど……。」
「アッハァwwなるほどwww」
だめだこの人、デリカシーの欠片もねぇや。(真顔)
ひたすら遠い目で白馬くんを眺めていると、
不意に彼が私の頭をポンポンと撫でてきた。
「似合ってる。すげぇ可愛いよ。」
…こういうことをサラッと言うからズルいんだよなぁ。
嬉しさと恥ずかしさが入り混じって、
顔を俯かせながら頷くことしかできない。
そんな面持ちでいると。
「あれだ、馬子にも衣装ってやつだwww」
…彼の余計な一言が見事に先程の言葉を台無しにした。
流石だ、流石すぎるよ白馬くん。
それでこそ君だ。
「ところで白馬くん、今日はどこ行くの?」
気持ちを切り替えて予定を聞いてみる。
とりあえず待ち合わせをしただけで、
内容とかってまだ知らないんだよね。
すると彼はキョトンとした顔で、サラリと告げた。
「いや、俺も知らないです。」
「おぉう。」
まさかの回答。
誘った本人も知らないのか、それは困ったね。
「じゃあどうする?行きたいところとかある?」
そう聞くと、彼は少し考える素振りを見せ、
さも当たり前のように答えた。