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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第8章 初デート
────「お待たせしました、カツ丼定食とデラックス苺パフェでございます。」
店員さんが、私の前にパフェを。
白馬くんの前に定食を置いてくれる。
「ごゆっくりどうぞ」と一礼。
席から離れたのを見計らって……
すばやく交換!
取り替えてるのを見られたら
何だか悪い気がするしね。
……というか。
「カツ丼って笑ってたけど、白馬くんも大概だからね?苺パフェって。苺パフェって!」
彼が注文したのは、たっぷりのアイスと生クリーム、
そして苺が沢山のせられた豪華なパフェ。
そしてちゃっかりコーヒー付きだ。
「だってパフェ食べたかったんだもん。」
「うんまぁね、美味しいよねパフェ。」
「でしょ」と言いながら
彼がモグモグと真顔でほおばっている。
どうしよう、地味にパフェが似合うぞ。
「先輩あれだね、カツ丼とか取り調べ受けてるみてぇ。」
「うるさい。」
私もそっと口に運ぶと、
優しいお醤油の味が口いっぱいに広がった。
ここの味好きかも。
しょっぱすぎないし。
美味しくてひたすら口をモグモグさせていると、
白馬くんが不意に質問を投げかけてきた。
「ねぇ先輩、あんなのいつの間に習ってたの?」
あんなのって、護身術のことかな。
「二週間前からだよ。蛇塚さんに護身術習わないかって誘われて。筋が良いって褒められたの、すごいでしょ。」
すると、彼は「ふぅん」と単調に返してくる。
……なんだろう。
白馬くんがこういう返事するときって
大体なにか考えてるんだよね。
「…その護身術を習ってる教室ってさ、先輩ん家の比較的近く?」
「え、うん、そうだよ。龍道さんて人が先生なの。よくわかったね。」
私の答えを聞くやいなや、
彼はどこか納得したような表情を見せた。
なにか思い当たることでもあるのかな。
「そう、まぁいいや。先輩ちなみに明日はヒマ?」
そして、またもや彼から突然質問を投げられた。
気まぐれというか、どこか掴めないというか。
ホント猫みたい。
「うん、明日は特に予定入れてないけど。」
とりあえずその質問に答えると、
白馬くんはニッコリと王子スマイルを見せた。
…反射的に背筋がゾクリと粟立つ。
そして、その感覚は正しかった。
「じゃあ、今夜は覚悟してね?」