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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第2章 お泊り会
────「どーぞ。」
「お邪魔しまーす…って、うわっ、広っ!綺麗!」
白馬くんが開けてくれたドアをくぐると、
そこには一人で住むにはあまりに広すぎる空間が広がっていた。
北欧風のソファにテーブル、チェア…
必要最低限のものしかない。
THE・ミニマリスト。
「間取りいくつくらいなの?」
「えーっと、確か3LDKだったかな。」
ちなみに私のアパートはワンルームです。
…この情報は白馬くんに伝えちゃだめだ、バカにされそう。
「カバンは適当に置いて大丈夫なんで。」
「うん、わかった。」
じゃあ部屋の隅にでも置かせてもらおう。
さっきコンビニで買った物も一緒に。
うーんさて。
人の家に上がらせてもらったとき地味に困るのが、
入って早々どうしたらいいのか分からない点。
キョロキョロとあたりを見回すのも失礼でしょ?
かといって適当に座ってしまうのも気が引ける。
とりあえず指示が出るまで立ち尽くすしかないや。
そんな私の手元に、横からポイッとタオルと着替えが渡された。
「この部屋を出た、すぐ右に風呂あるんで。先シャワー浴びてください。俺の後とか嫌でしょ。」
「え、嫌じゃないよ?私、後でも全然大丈夫だから入りなよ。」
別に気にしないのに。
白馬くんが一瞬面食らった顔をするも
すぐに表情を戻してグイグイと私の背中を押してきた。
「嬉しいッスけど先に入ってください。俺することあるんで。」
「は、はい、わかりました。」
バタンと部屋から追い出されてしまう。まぁ、することがあるなら仕方ないか。
受け取ったタオルと着替えをカゴに入れ、スルスルとスーツを脱いでいく。
…それにしても、まさか後輩の家にお泊りする日が来るとは。まぁ白馬くん地味にいい子だし、変なことには…
「って、あ。」
ここで、ある重大なことに気づく。
「下着さっきの部屋に置いてきちゃった…!」
そう、さっきのコンビニ袋の中に下着諸々が入っていたのだ。なんたる失態。
「ごめん白馬くん!私のカバンの横にあるコンビニ袋持ってきてくれない?中身は絶対見ずに!」
申し訳なく思いながらも声を掛けると、
すぐに「了解でーす」と返事が返ってきた。
良かった。
ホッと胸を撫で下ろし、脱いだ衣類を畳み始めた、その時。
ガラリと閉めていたドアが勢いよく開いた。