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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第2章 お泊り会
「ほら先輩、持ってきましたよ…ってはぁぁぁぁ?!」
「え、なに…ってうわぁぁぁぁぁ!!!」
ピシャリとすばやく閉められるドア。今更ながらかがみ込む私。
忘れてた、今の私全裸だったァァァァァ!
え、待ってこれセクハラ?セクハラになる?!ちょっと待ってよヤバイってこんなラッキースケベ誰も期待してないよ!
と、とりあえず被害者である白馬くんに謝らねば!
「ごご、ごめんね白馬くん!変なもの見せてしまって!わっ、忘れてくださいっていうのもなんか違う気がするけど本当にごめんね?!」
「…っとにアンタはさぁ…。」
はぁっと大きなため息。
そりゃそうだよ、私の裸見て喜ぶ人は本物の変態かなにかだ。
「ごめんなさい…。」
「大丈夫です。確認取らずいきなり開けた俺も悪かったんで。とりあえずこれ渡しときますね。」
少し開いた扉の隙間から腕だけを通し、コンビニ袋を渡してくれる。
「ありがとう。」
「いーえ、ごゆっくり。」
そう言って、スタスタと遠くなっていく足音。どうやらリビングに戻ったみたい。
袋をカゴに置き、ひとつ深呼吸をして風呂場に足を踏み入れる。シャワーのレバーをひねれば、心地よい温度のお湯が全身に降り注いだ。
鏡には傷だらけの自分の身体。
「…白馬くんは優しいなぁ。」
腹や腕につけられた傷口をそっと撫でる。
白馬くんは、私がドジしても言い返しても怒っても
何も手をあげてこない。
当たり前なのかもしれないけど、私にとってそれはすごいことだった。
────今の彼氏が、暴力癖のある人だから。