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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第8章 初デート
「ん……あ、そうだ。くろ、ちょっと待って…?」
「ん?」
私の言葉にピタリと彼の動きが止まる。
私はそっと彼の膝上から下り、自分のバッグを漁る。
取り出したのは、プレゼントのイヤリング。
丁寧に包装されたそれを、彼の前に差し出した。
「これ、あげる。開けていいよ。」
目をパチクリとさせながら、
プレゼントを受け取る白馬くん。
中身を手に取るやいなや、彼がフッと柔らかく微笑んだ。
「イヤリングだ。ありがと、すげぇ嬉しい。」
そう言いながら、
彼がお礼を伝えるように私の頬を優しく撫でる。
なんだか、くすぐったい。
私もフフッと笑っていると、
白馬くんが突然立ち上がり、
テーブルの引き出しから何かを取り出した。
「ユイ、左手出して。」
「え?」
訳もわからず、言われるがまま手を差し出す。
すると、白馬くんが私の左手をそっと掬い、
薬指になにかを嵌めた。
……その光景に目を疑う。
「え、くろ、これ……。」
そこには、細かな装飾が施された
シルバーの指輪が付けられていた。
「あぁ、結婚とかそういう重い意味じゃなくてさ。純粋に似合うなって。……まぁでも、」
彼が私の髪を一房掬い、
そこにキスを落としながら微笑んで告げた。
「俺はそれくらい本気だけど。」
「────っ!」
まさかの言葉に全身が熱くなる。
付けられた指輪だけがヒンヤリとしていて、
余計にその存在を際立たせた。
私がひたすら呆然と立ち尽くしていると、
彼がまたベッドに座り、私の手を手招くように引いた。
そのままストンと彼の膝上に座り込む。
さっきと同じ、お互いに向かい合う体勢。
「はい、じゃあユイも俺にこれ付けて?」
渡されたのはプレゼントのイヤリング。
彼の言葉にコクンと頷き、そっと彼の耳たぶに付ける。
あぁ、やっぱりすごく似合うね。
「できた、いい感じ。」
「ん、さんきゅ。」
白馬くんが私の唇に軽くキスを落とす。
なんだか、キスマークを付けたときと同じ感覚だ。
優越感と嬉しさと。
例えようのない喜びが沸々と湧き上がる。
すると、彼の手が私の指を絡めとりながら、
イタズラな笑顔で聞いてきた。