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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第10章 甘い微熱と寂しさと
目を見開く彼。
そうだよね、けっこう大胆発言な気がするもん。
でも、寂しくて、帰って欲しくなくて。
そんな感情を抑えようとしたら、
こんな欲が出てきちゃった。
すると、彼は私を見つめて優しく微笑みながら
私の火照った頬に手を滑らせた。
……ひんやりしてて気持ちいい。
「うん、わかった。じゃあしっかり寝て、早く治してね。」
その言葉にコクリと顔を頷かせる。
ふふっ、やった。早く風邪治そう。
布団に潜りながらそんなことを考える。
私って単純だ、一気に気分が軽くなった。
……それで安心したせいかな。
ゆっくりと自然に閉じていく重たい瞼。
わたしは彼が帰るのを見届けずに、
そのまま眠りに落ちてしまった。