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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第10章 甘い微熱と寂しさと
私の周りがオヨヨと悲しんでる雰囲気の中、
ピロンと私のスマホがメッセージを受信した。
カバンからスマホを取り出し、
メッセージを確認してみる。
うん、がっつり白馬くんからだ。
ちなみに内容はこう。↓
『先輩にしてはナイスな返答でしたw
ご協力あざーっすwww( ´∀`)bグッ!』
か、かる〜い!
もう色々ツッコミたいことあるけど
今回はスルーしてもいいかな??いいよね??
チラリと白馬くんの方を見れば、
彼はスマホを持ちながら肩を震わせて笑ってた。
ははは。
ご本人、めちゃくちゃこの状況楽しんでる(遠い目)
でも、元はといえば私が招いてしまった事なので、
なにも文句が言えない。
もう起きたことだし、受け入れるしかないね。
────そう分かってはいるんだけど。
「は、白馬くん、ここの部分訂正よろしくお願いします……。」
「はい、了解です。」
────ヒソヒソヒソヒソ、ズズッ、グスン。
私が白馬くんとやり取りするたび、
やけに周りから涙っぽい音が聞こえるんだよね〜!
これからずっと、この妹設定が付きまとうわけか。
結構キツイな。
すると、白馬くんが私に一枚の書類を差し出してきた。
「あぁそうだ。山下先輩、こちらの資料にお目通しよろしくお願いします。」
「えっ?あ、はい。了解しました。」
そんなのあったっけ?
違和感を覚えながらも、
とりあえず言われるがままに受け取る。
席に戻って確認してみるも、
やっぱり私の担当じゃない。
よく分からないけど返してこよう。
なにかの間違いかも。
そう思って自分の席を立ち上がったとき、
ふと書類の上に貼られたピンク色の付箋が目に入った。
「……〜〜〜っ?!」
付箋の内容を読むなり、一気に顔に熱が集まる。
書類で顔を隠しながら白馬くんを見ると、
彼は視線だけをコチラに向けて、
不敵な笑みを浮かべていた。
達筆な文字で、そこに書かれていたことは。
『風邪治したご褒美、楽しみにしててくださいね?』
……あぁもう、本当に。
どこまでも彼には敵わない────。