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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第11章 神社の息子
……なんて楽しそうな表情。
心臓がうるさい。
こんなの言うしかないじゃんか。
私は恥ずかしさに耐えるように彼の服を握り、
意を決して答えた。
「……は、白馬くんのこと、好きすぎて困ってるくらいなの……。」
あぁもう、今すぐ視線を逸らしたい。
逸らしたいけど、
「うん、俺も先輩のこと好き。」
……彼が優しく微笑むから、なんだか逸らせない。
彼は私を抱えながらゆっくりと上体を起こし、
二人向かい合う形で座る。
そして、彼がそっと私の額に口づけを落とした。
「ごめんね意地悪して。別にどんなゲームしてても気にしないよ。」
「うん……。」
彼がなだめるように私の頭を撫でる。
心地良い。
こうされると、どんな意地悪をされても
「好き」の感情で塗り替えられちゃうの。
私って結構チョロいね。
すると、白馬くんにしては珍しく
少し興味ありげに私に質問をしてきた。
「ねぇねぇ、そのゲームの中で推しキャラって誰?」
「え、推しキャラ?」
そう聞かれると地味に悩むなぁ。
皆同じくらい好きで、
正直この人っていうのはいないから。
……でも、しいて言うなら。
「んー……、この人。ルークかな。」
そう言って彼に見せたのは、
黒髪の目つきが鋭い元気な青年
すると、白馬くんは一瞬驚いたように目を見開いて、
動きを止めた。
彼がうわ言のようにポツリと呟く。
「え、ただのうさじゃん……。」
「うさ?」
彼を見てキョトンとする私。
しかし、彼はその問いかけには答えず、
探りを入れるように更に質問を重ねてきた。
「ちなみに先輩、この人のどこが好きなの?」
どこが好き……。
顎に手を当てて、「うーん」と唸りながら
答えを真剣に考えてみた結果。
「……見た目?」
なんとも、しょうもない理由が出てきてしまった。
その答えを聞くなり、彼は眉間にシワを寄せて
私の頬を痛くない程度につねってくる。
「うん決めた。先輩にはぜってぇアイツに会わせない。会わせたら俺の嫉妬が爆発する。」
「へ?」
う、うまく状況が理解できない。
けど、多分うさっていう人が、
ルーク…私の推しキャラに似てるってことでいいんだよね?
それなら。
「白馬くん、大丈夫だよ?わたし白馬くんよりカッコいい人知らないもん。」