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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第11章 神社の息子
────「白馬くん、残りの一人って誰にするの?」
夕方。神社の帰り。
うさと話し終えたあと、
フリたちが全員分のアイスを買って戻ってきた。
ちなみに私はいちごアイスもらったの。
久しぶりですごく美味しかった。
……まぁそれはいいとして。
「うん、もう検討はついてるよ。俺がいるにしても、先輩だけ女の子は流石にどうかと思うからね。」
一緒に旅行に行く、
あと一人の枠を私達に一任されたんだよね。
フリは誰でもいいって言ってたし、
うさも特になにも口出しはしなかった。
……でも。
「うさ女性苦手だし、男の人の方がいいんじゃない?」
「ダメです。あいつ女性が苦手っつっても、先輩みたいに慣れる人には慣れるし。検討してる人も普通に良い人だから大丈夫だろ。」
ズバッと断られる。
うん、これはどう足掻いても彼の意思は変わらないね。
うさごめん、頑張って。
心の中でそっと謝ると、
白馬くんがピタリと足を止めて、私の方を向いてきた。
「じゃあ先輩、いつでもいいんで彼女に聞いてみてください。俺、連絡先持ってないんで。」
────彼女。
白馬くんは連絡先を持っていないけど、
私は持っていて。
かつ、彼が良い人と断言できる人。
旅行に誘えるくらいなんだから、
私達の関係も知ってるってことだよね。
……うん、いやこれ、
名前濁して展開を引っ張ってるけど、
バッチリ察しがつくやつじゃん。
チラリと白馬くんを見上げると、
彼は爽やかに王子スマイルを見せてきた。
有無を言わせない圧力。
でも、私も彼女のことは好きだし、
一緒に行けたらきっと楽しい。
白馬くんがいれば彼女も喜ぶだろうしね。
「……わかったよ、聞いてみるね。」
そう思った私は、
少しだけ苦笑しながら顔を頷かせた。
────なんだか、とても楽しい旅行になりそう。