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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第2章 お泊り会



すると、彼が突然クスッと表情を緩めた。


「なーんて。すみません、冗談です。デート楽しんできてください。」


…いつも通りの白馬くんだ。
何事もなかったように食事再開してるし。

私も気を取り直して食べ物を口に運ぶも、全く喉を通らない。

…茶化しているけれど、彼はとっくに勘付いている。
性格上、確信が得られたらすぐにでも行動に移してくるだろう。
もし巻き込んでしまったら?
もし彼の体に傷を負わせてしまったら?

そんなの絶対耐えられない。






どうしたら。どうしたら。





食べ物を口に運びながら、そうならない為の打開策を必死に考える。
そこでふと、頭の中に『ある一つの無謀な案』が思いついた。





一番危険で、馬鹿げてて。
それでも成功すれば、全ての不安要素を解消できる唯一の方法。





これまで絶対に不可能だと思い込んできた方法だ。
今でも想像するだけで身が震え上がるほど怖い。

でも、第三者…私の大事な後輩が関与しそうな今、もうなりふり構っていられないから。



私はサラダのプチトマトをフォークで勢いよく突き刺し、心の中で強く決意した。







────今日、彼に別れを告げよう。




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