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呟き…
第7章 どこまでが浮気…4
百合さんが私に昔話をしてくれる。
「圭司君と仕事で何度か会った事があるの。あの人っていきなり『今は恋人が2人居ます。3人目になりませんか?』って言うて来た。」
「マジですか?」
「うん、マジ…、私も呆れて『ごめんなさい。』を返したけど圭司君が『無理強いはしないけど落ちるまで口説きます。』って宣言したのが始まり…。」
信じられない話を百合さんが懐かしげに話す。
そこから相馬さんは何度か百合さんを遊びや食事に誘い出す。
誕生日には相馬さんからケーキとお花がわざわざ宅配で届けられたりする以上、相馬さんの食事の誘いが断りにくくなる。
「食事の度に圭司君が同じ言葉を言うの…。」
「同じ言葉?」
「『百合が食べたい物を食べよう。百合が行きたい所へ行こう。百合が欲しい物をあげる。嫌なら直ぐに別れればいい。』って…。」
その頃には百合さんも大人の付き合いだと割り切って相馬さんと付き合ってみる事を考える。
他の彼女が居るのに百合さんと食事をする時はその彼女からの連絡すら取らないと徹底する相馬さんなら割り切れると百合さんは感じた。
「仕事でモデルとかやってたら彼氏とか下手に作れないのよ。休みとかバラバラだし…、それでも圭司君の方がデートをする日は全部を私の休みの予定に合わせてくれる。私がドタキャンした時もあの人は文句すら言わなかった。」
そうやって相馬さんと付き合うと決めた百合さん…。
しかし…。
「あの馬鹿男、付き合って3ヶ月…、キスすらしてくれない人なわけ。」
百合さんが綺麗な頬を膨らませる。
「へ?」
「口説くだけ口説いてヤリ逃げすると思ってたのにデートは変わらず至れり尽くせりでキスもせずに家まで送ってくれる男が圭司君だよ。」
無理強いはしないと相馬さんは言う。
だけど、そこまでするのかと逆に呆れてまう。