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呟き…
第7章 どこまでが浮気…4



相馬さんが上に行きたいと望めば歩美さん達を捨てる事になる。

相馬さんが結婚するなら、今の彼女達を捨てる事になるのと同じ…。

相馬さんは捨てられたいのかもしれない。

自分で捨てる事が出来ないから周りから相馬さんを捨てて欲しいとか考えてる。


「なるほど…。」


唯一、相馬さんを捨てようとしたのが悠真だ。

悠真には感情がなく簡単に人を捨てられる。

相馬さんは悠真が好きなんだ。

相馬さんを簡単に捨てる悠真に百合さんや歩美さん達が興味を持つ。

その悠真が唯一捨てられない私の存在は都市伝説並にレアな珍獣になる。


「なんとなく迷惑な話やな。」


ため息を吐いて自己完結する。


「なんか迷惑やった?」


歩美さんが不安気に聞いて来る。


「歩美さんじゃないよ。相馬さんと悠真の関係が色々な人に迷惑やと思うだけ…。」

「あー…、夏奈(かな)さんって圭ちゃんと一番古い彼女もそんな事を言うてたわ。1歩間違えたら圭ちゃんと今田さんは相思相愛の危ない関係やて。」


腐女子なら喜びそうだと歩美さんと笑うしかない。

日が暮れて走行会が終わる。

片付けだから私にも手伝える仕事があると言われてホッと安堵のため息を吐く。

自分の居場所が欲しかった。

悠真の所へ帰れないから…。


「さて、僕はお嬢様を送るわ。」


過保護に育った私を相馬さんが馬鹿にする。


「なんなら自力で帰りますよ?新幹線があるし…。」


相馬さんの嫌味にそう答えれば


「僕が誘った女の子に自力で帰るという選択肢はないって言うたやろ?」


余裕の表情で相馬さんが私を車に押し込める。


「今田さんのマンション?」

「自宅です。明日から仕事ですから…。」


岡山を出たのが夜の7時…。

家に着くのは10時だと考えると悠真のマンションになんか寄る気にならない。


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