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呟き…
第7章 どこまでが浮気…4



「ちゃんと楽しめた?」


車を運転する相馬さんが聞いて来る。


「百合さんと…、もっと話がしたかった。」


それが私の本音。

憧れる人を見つけると何かしらの好奇心だけで近付きたいと考える。


「百合かぁ…、僕からはもう無理かもなぁ…。」


いつもならお気楽に答える相馬さんが渋る。


「無理って?」

「百合とは近いうちに別れる事になるから…。」


一瞬だけ頭が真っ白になった。


「なんで!?」


私が聞くべき話じゃない。

わかってても聞いてまう。


「あいつ、東京での仕事が増えて東京に引っ越すつもりみたいやからな。」


百合さんの気持ちを考えずに相馬さんが軽く答えるから、再び私には怒りが湧く。


「相馬さんはそれで良いんですか?」

「僕は百合が望むなら東京に通うよ。彼女の1人は銀座のクラブに居るし…。東京の彼女が2人になるだけで大した手間とは思うてない。」

「他の人とかが居るからとかじゃなく、百合さんの為って理由にはならないのですか?」

「それはならんな。」

「だから…、何故!?」

「百合は最初っから割り切ってたから…。」


相馬さんを冷たいとしか感じない。


「それは相馬さんが…。」

「百合は最後まで我儘を言わない。今更、東京に来て欲しいとか僕に言う女じゃない。」


きっぱりと答える相馬さんは本当に冷たい人だとしか思えない。


「ちゃんと百合さんに聞けばええ事じゃないの?」


怒りに任せて相馬さんを責める。


「気い悪くせんといてな。百合なら今田さんが連絡を取れると思うよ。」


予想外の答えに戸惑う。


「悠真が?」

「僕に今田さんを紹介したのが百合だから…。」


私の知らん事実…。

私だけが何も知らない。


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