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呟き…
第7章 どこまでが浮気…4



胸が締め付けられる感覚がする。


「なんで…、悠真が?」

「百合が所属するモデル事務所で今田さんが仕事をしたのが始まり…。」

「それで?」

「百合は今田さんが好きだった。いわゆる片思いってやつらしい。」

「百合さんが!?」


驚きしか出て来ない。

私よりも大人だと思ってた百合さんは実は私よりも年下だったという事実だけでも私の頭が混乱する。


「百合なりに今田さんへはアプローチをしたらしい。だけど今田さんってあの性格やろ?完全スルーで仕事が終わったら『はい、サヨナラ。』で終わったって百合から僕は聞いてる。」


そんな事があったのかと凹んで来る。

結婚相手の人間関係すら私はまともに知らなかったという事実に項垂れる。

私が人見知りだから…。

それ以前に悠真が他人がジャガイモかピーマンにしか見えてない男だから…。

悠真にとっては百合さんという存在が街中ですれ違う通行人と変わらない。


「あるパーティーで僕は百合と知り合った。軽い気持ちで僕が百合を口説いたら百合は『片思い中だからお断りします。』と答えた。」


そこからは相馬さんの好奇心で百合さんを口説いた。

相馬さんが百合さんを食事に誘っても百合さんは悠真の話ばかりする。

ならば百合さんの片思いの相手を見てみたいと相馬さんは仕事の話を持ち掛ける。

それは百合さんにとっては少しでも悠真に近付けるチャンスだった。


「今田さんが恋人じゃないのに浮気を許さない女の子の正体を知りたいと百合が望んだ。」


悠真に浮気をさせてみようと相馬さんが挑んだ結果は悠真を怒らせただけだった。

その飛び火は当然、百合さんにも降りかかる。


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