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呟き…
第7章 どこまでが浮気…4



相馬さんは百合さんの為だと悠真に平謝りをする。

悠真は相馬さんに仕事だと割り切るなら付き合いを続けても構わないと答えた。

そして百合さんは割り切ると決めた。

その割り切りが気に入らないと相馬さんは言う。


「百合が僕に望んだ恋愛ってなんだったと思う?」


そんな質問をされても私にはわからない。


「相馬さんもわかってると思いますが私には恋愛経験がほとんどありませんから…。」


悠真にすら口説かれた事がない。

未だに悠真と結婚する実感すら湧いてない。

ハワイじゃサイズが無いからウェディングドレスを日本で借りるか買うかしなければならないのに、その予定すら千代子ちゃんと居る悠真と話し合う事も出来ずにいじけてる。

その程度の女に複雑な恋愛の話をする方が間違ってると相馬さんを睨む。


「百合が望んだのは今田さんを諦める事…。」


哀しい声で相馬さんが呟いた。

悠真を諦めたいから百合さんは仕事を恋人にする。

悠真を諦めたいから相馬さんの彼女になる。

相馬さんとキスをするのも相馬さんに抱かれるのも全てが悠真を諦める為…。

相馬さんはわかってて百合さんが望んだ時だけキスをしたんだと理解してしまうと悲しくなる。


「そんな恋愛…。」


する方がおかしいと思う。


「僕は本気で百合が好きだったよ。結婚までは出来なくとも百合が好きだから僕は僕に出来る限りの努力はしてやったつもりや。」


相馬さんは百合さんが悠真を諦める努力をした。

私が走行会に呼ばれたのは百合さんの為…。

本当は悠真と来るように仕向けたかったのが相馬さんの描いたシナリオだったのに…。

走行会には私しか行かなかった。


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