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近未来SFコメディ「日本チン没」
第2章  精子狩り
 里美は真っ赤な車で丹沢ダムまでドライブに連れて行ってくれた。
 久しぶりに自然に触れた祥太郎は体中が生き返ったように元気になった。
 ドライブしながら祥太郎は里美の打ち明け話を聞いた。
 それは里美と『レス会』の出会いについての話だった。

 「SNSで『レス会』を知ったの」
 「へー、と言うことは里美さんもやっぱりレス」
 「そうよ。夫はEDなの。どんなに頑張っても、挿れようとすると折れるの。食事療法をしても、サプリや薬を飲んでも、お医者さんにいっても、ダメなの」
 「それで、なぜ結婚したの?」
 「結婚する前は出来たの。わたしとも、他の人とも」
 「へー」
 「ストレスがいけなかったのね。結婚すると責任も感じるし、仕事の責任重くなる時期だし」
 「ストレスか」
 「それでね、わたし、子どもが欲しかったから、体外受精しようって言ったの」
 「試験管ベービー」
 「そう。それで調べたら、精子がないって分かったの」
 「全然ないの」
 「すこしはあるけど、妊娠できる数じゃないのよ。それに、夫がそれはダメだって言うの」
 「どうしてダメなの?」
 「もし出来たとしても、精子の少ない男からは精子の少ない男の子が産まれるのよ」
 「遺伝ですね」
 「本来だったらそういう男性機能の弱い男は淘汰されるべきだって」
 「淘汰・・・」
 「だから、無理やり作って男の子が生まれたら、その子がまた苦しむことになるでしょう」
 「そっかー」
 
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