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第3章 　『一億総性生活活性化』

　「そこで、わたくしは避妊偏重をストップするために革命的な提案をいたします。それはピル及びコンドームの製造・販売・使用の禁止など徹底的な避妊防止策であります」

　「なるほど」

　杉崎正孝の発言にわが意を得たりと頷く矢部首相とは対称的に、参加した女性陣から激しいブーイングが巻き起こった。
　
　環境省の蒼井瑠衣は馬鹿馬鹿しくて聞いていられない様子。どうも論議の焦点が国民感情から乖離しているのだ。

　「あまりにも時代錯誤です。それに、論点がずれております」
　『精子狩り』事件で表面化した男性の生殖能力を破壊する「環境ホルモン」などの肝心な問題から逃げ、コンドームまで禁止するなど時代錯誤もはなはだしい。

　厚労省の奥原琴葉もあからさまな侮蔑の表情を浮かべて杉崎案に反論。　

　「男性本位にも程があります。母性保護の観点から、行政を一世紀以上後戻りさせるようなもの」
　
　じつは杉崎と奥原の二人は同じ厚労省でありながら犬猿の仲。
　さっそく、杉崎が反撃を開始。