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近未来SFコメディ「日本チン没」
第3章 『一億総性生活活性化』
「奥原さん、まさにそこに落とし穴があります。我々は母性保護に囚われるあまり、神聖な生殖行為をないがしろにしてきたのです。
この際、思い切って性行為がすなわち生殖行為だった時代へ、一世紀ほど時代を後戻りさせ、コンドームもピルもなかった20世紀半ばのベビーブーム時代に、行政を逆回転させる必要があるのです」
「よく言ってくれた杉崎君。我が国の歴史を思い出してみなさい。百年前のあの敗戦前後の混乱期です。あの混乱の中で我国の先人たちは沢山の子を産み、育てた。
5人兄弟6人兄弟などざら。中には、二桁出産した母親までいたんです。まさに夢のような時代だった」
矢部首相はしばらく天井を見つめたあと、再び口を開いた。
「それが、どうですか、今や結婚しても出産はせいぜい1人。2人産むのは例外的と言う有様。もはや国家権力を動員し、強権を持って妊娠・出産を促さざるを得ない状況ではないのか」
杉崎の過激な避妊防止策と、矢部首相の賛同発言をきっかけに会議は激論に突入していった。
この際、思い切って性行為がすなわち生殖行為だった時代へ、一世紀ほど時代を後戻りさせ、コンドームもピルもなかった20世紀半ばのベビーブーム時代に、行政を逆回転させる必要があるのです」
「よく言ってくれた杉崎君。我が国の歴史を思い出してみなさい。百年前のあの敗戦前後の混乱期です。あの混乱の中で我国の先人たちは沢山の子を産み、育てた。
5人兄弟6人兄弟などざら。中には、二桁出産した母親までいたんです。まさに夢のような時代だった」
矢部首相はしばらく天井を見つめたあと、再び口を開いた。
「それが、どうですか、今や結婚しても出産はせいぜい1人。2人産むのは例外的と言う有様。もはや国家権力を動員し、強権を持って妊娠・出産を促さざるを得ない状況ではないのか」
杉崎の過激な避妊防止策と、矢部首相の賛同発言をきっかけに会議は激論に突入していった。