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近未来SFコメディ「日本チン没」
第3章  『一億総性生活活性化』
 「水谷さん、一体全体私たちは何をどうすればいいのでしょうか」
 「君たちが驚く気持ちはよく分かる。しかし、ご承知のようにこの会議の主題は『性タブー』への挑戦。そこを踏まえ、矢部首相の納得する性教育を首相の前でご披露することだ」

 すると、水谷は二人の肩をぐっと引き寄せ、耳打ちした。

 「男のあそこが立ち、女のあそこが濡れる。この言葉を肝に銘じて考えたまえ」

 立ち去ってゆく水谷の後姿を見ながら、霧島一美がその美しい体を震わせながら呟いた。

 「脱ぐっきゃないわね。三村さん」
 「君が覚悟を決めてくれたら、僕もやるよ。二人の将来のためだ。思い切った性教育授業をみせてやろうじゃないか霧島さん」
 「ただ、首相が付け加えた『姉川君の意見も参考に』という言葉をどう捉えたらいいのかしら・・・・」
 「そんなことは簡単だ。隠せばいいんだろう。だから、この授業を影絵にでもしたらどうだろう」
 「そうか。じゃあ、舞台前面に白い布を張って、バックからライトで照らす」
 「あとはいつもの通りだ」
 「あとはいつもの通り・・・。でも進行にはナレーションが必要ね」
 「そうか、環境省の蒼井が同期だから頼んでおくよ。君、ナレーション用の簡単なレジメを作ってくれ」
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