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近未来SFコメディ「日本チン没」
第5章 漏洩
じつにこの数十年の間に日本は大きく変貌していたのだ。
中でも環境ホルモンの影響による男性機能の破壊は社会に大きなひずみを生み出し始めていた。
その一つは男児が女児より2割も少ないと言う男性数の絶対的不足。
そこに輪をかける男性の草食化・機能不全によって社会は完全に男旱(ひでり)状態。
そのような中で、あの「精子狩り」事件に象徴される女たちの反乱が起こったのだ。
夫婦関係の法的拘束を破って、健全な精子を求め、「下半身離婚」と言う奇策によって妊娠する女性が急増。
一昔前なら、不倫だ浮気だ離婚だと大騒ぎになるはずが、役立たずの草食系夫にはそんな力もない。
ここは黙って「寝取られ亭主」を我慢し、女房がどこかで孕んできた「種違い」をわが子と信じ、「生みの親」はあきらめ、「育ての親」の喜びだけでも享受しようと言う。
その結果いたるところに隠れ「婚外子」が溢れた。
ようするに、戸籍の上では夫の子どもだが、じつは種違い。
何故こんな事態を招いたのか、法務省の岡野詩音はあまりにも急激な社会の変貌に頭を悩ませていた。
中でも環境ホルモンの影響による男性機能の破壊は社会に大きなひずみを生み出し始めていた。
その一つは男児が女児より2割も少ないと言う男性数の絶対的不足。
そこに輪をかける男性の草食化・機能不全によって社会は完全に男旱(ひでり)状態。
そのような中で、あの「精子狩り」事件に象徴される女たちの反乱が起こったのだ。
夫婦関係の法的拘束を破って、健全な精子を求め、「下半身離婚」と言う奇策によって妊娠する女性が急増。
一昔前なら、不倫だ浮気だ離婚だと大騒ぎになるはずが、役立たずの草食系夫にはそんな力もない。
ここは黙って「寝取られ亭主」を我慢し、女房がどこかで孕んできた「種違い」をわが子と信じ、「生みの親」はあきらめ、「育ての親」の喜びだけでも享受しようと言う。
その結果いたるところに隠れ「婚外子」が溢れた。
ようするに、戸籍の上では夫の子どもだが、じつは種違い。
何故こんな事態を招いたのか、法務省の岡野詩音はあまりにも急激な社会の変貌に頭を悩ませていた。