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近未来SFコメディ「日本チン没」
第5章 漏洩
すでに半世紀以上前から、スエーデンを中心に欧米では婚姻の有無を基準にしない性モラルが生まれていた。
そうしたモラルに対応して、同棲関係の制度化、婚外子差別の撤廃などの新しい婚姻制度に大きく変っていた。
ところが日本は恋愛結婚至上主義。婚外の性交・出産を否定する法律婚主義がいまだに根強く存続していた。
矢部首相を中心とする保守勢力は「夫婦別姓」さえ受け入れてようとしない。
そもそも婚姻に基づく性交・出産は性殖能力のある男女がほぼほぼ同数存在することが前提で成り立つものである。
男性が極端に多かった江戸の町は遊郭によってその不均衡をカバーした。
それでは、男性が極端に少なくなった現代日本をどう救うのか。
この不均衡の放置が精子狩りといった女性の反乱を招いたことを岡野詩音は認識していた。
男女の不均衡、男性機能の破壊という現実社会の劇的変化に法体系の整備・変革が遅れてしまったのだ。
「男女の未婚率は2015年には23%対14%でありました」
「今はどうだ?」
「すでに逆転し、女性の未婚率はうなぎ上りです」
「うーん」
矢部首相は岡野の理路整然とした発言の前にタジタジ。
そうしたモラルに対応して、同棲関係の制度化、婚外子差別の撤廃などの新しい婚姻制度に大きく変っていた。
ところが日本は恋愛結婚至上主義。婚外の性交・出産を否定する法律婚主義がいまだに根強く存続していた。
矢部首相を中心とする保守勢力は「夫婦別姓」さえ受け入れてようとしない。
そもそも婚姻に基づく性交・出産は性殖能力のある男女がほぼほぼ同数存在することが前提で成り立つものである。
男性が極端に多かった江戸の町は遊郭によってその不均衡をカバーした。
それでは、男性が極端に少なくなった現代日本をどう救うのか。
この不均衡の放置が精子狩りといった女性の反乱を招いたことを岡野詩音は認識していた。
男女の不均衡、男性機能の破壊という現実社会の劇的変化に法体系の整備・変革が遅れてしまったのだ。
「男女の未婚率は2015年には23%対14%でありました」
「今はどうだ?」
「すでに逆転し、女性の未婚率はうなぎ上りです」
「うーん」
矢部首相は岡野の理路整然とした発言の前にタジタジ。