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淫戯日記・恵子 ~続けてもいいですか~
第7章 再会
 特徴のヒントをねだる掲示板にはひとこと、『わたしはワンピースだよ。間違えてほかのコを痴漢して捕まらないでね(^^♪』とだけ書いた。宥倫も見ていれば…そう、もしも彼女が見ていて、そこに現れるならば、きっと彼女もいつものようにワンピースだろうと、何となくそう思った。
 大都会、副都心。土曜の二十二時過ぎの深夜。帰宅のために電車を使う高校生はいない…そんな頃合い。恵子は、あの日と同じ列車が入ってくる四番ホームにいた。先頭のドアに向かって並ぶ二つの列。列車はこの列の正面まではやってこない。編成が短いために一号車はここよりも後ろに停まる。エレベーターシャフトのせいで正面に並べないという事情もある。そうした事を多分、ここにいる何人かは知らず待たされている。それがますますこのドア付近を混雑させる原因になっている。
 この時間、半分の電車はこの駅が始発になる。だが次の快速は長距離編成。間もなくここへ入ってくるその列車は、土曜の都会を様々な目的で訪れている人々をココへと運び、そしてまだ次の街へと運び去る。
 少し遠くでキィーーーーという甲高い金属の擦れ合う音がして、視界の端に先頭部分の車体を捉えた。
 待っていた列がその形を崩し、大きく広がってドアの周りを埋め尽くす。開いたドアから吐き出された人の群れが、取り囲んだ一団の中に数本の道筋を作ってゆく。その間も待っていた列はいまや列ではなくなり、どんどんと前に向かって小さな密集を作る。どことなく、なんとなく周囲の人に触れる、触れられる、そんなボディコンタクトが自然と起こる。降りる人がいなくなった、と分かるとイワシの群れのように一気にドアの中へと飲みこまれていく。恵子もホームとドアの間の隙間を跨いだ。容赦なく押し込まれる。その流れに身をまかせる。何人もの背中。こちらを向いた男。小さくなって身を固くしている若い女。みな圧縮され押されるがままに押し込まれていく。
 車内に目をやるとドアの反対側・・・運転席と隔てる壁の近くに一瞬見えた…、彼女だ、宥倫。その直後、すごい力で運転席の反対側・・・列車の中ほどに向かって押し込まれた。宥倫の姿をはっきりと見たわけではなかった。ただ、きっと宥倫だと思った。多分、前の駅かもっと前か、とにかく別の駅から乗ってきたのに違いない。この駅で乗っていたら、あれほど反対側ドア付近の場所へは入り込めない。
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