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第7章 再会

　恵子は珍しくドキドキした。満員電車と違い、隠れるところがない。周りは殆ど皆、座席に座っている。立っている乗客は四、五人程度。死角になってはいるが見通しは利く。ばれるんじゃないか、と思うと、じっと、出来るだけ平静を装い、とにかくただじっとしていた。
　その手は恵子の脚の付け根で、指先をあちらこちらに向けて弄りだす。それがたまにショーツの上から恵子の陰部に触れる。恥丘に触れる。スリットの切れ込みが始まるクリトリスの上に触れる。
　ゆっくりと俯き加減になっていく恵子。徐々に右側へ倒れ、男の方へとしなだれかかってゆく。それを合図にしたように、男の手のひらは脚の付け根からさらに進んで、恵子の恥丘へと侵入してきた。そこから長い指を伸ばす。
　それは今しがた恵子が説明したパンティのスリットに達している。確かめるように、そこで指先に力がこもった。
　座ったままの姿勢で軽く腰をえび反りにして、男の指の侵入に反応してしまう恵子。ハンドバッグを持つ左手で思わず彼の右腕を押さえた。腕を掴んでも指先の動きまでは制することはできない。それは今、恵子の股間の敏感な陰部に向けて、スリットをこじ開けようとして蠢（うごめ）いているのだ。
　肩をすくめるようにして耐える恵子。
「そういう感じ方が、厭（いや）らしいよ」
　目を細め、男の方へ目線を流しただけで、それ以上の抗議はできない。指先が陰部に達する。そこはビショビショに濡れているらしく、指先のヌルヌル動く感触が心地よくさえある。中指だろうか。長い指先がアノ入り口までやってきた。挿れられる…。
　じっとして、その時をただ、待っていた。小陰唇に指先が触れる。
　座った姿勢では、せいぜいその位のようだった。狭い股間で指先が少しだけ恵子のあの部分に入ってきた。そこで上下に指先を動かす男。
　ビクン、と反応し顎を突き出し、思わず、左手の甲で口を覆う恵子。まだ声は出さずにいられるが、下のお口の方はくちゅくちゅとリズムを奏で始めている。
　ビクンビクンと身体に電流が走ったように、のけ反り震える恵子。
　そこで、電車のドアが開いた。駅についていた。我に返り大きくひとつ息をつく。男の手はまるで魔法が溶けた後のようにいつの間にかそこからいなくなっていた。