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淫戯日記・恵子 ~続けてもいいですか~
第3章 深夜の公園
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 交番前の信号で左に入ると急に暗やみに包まれる。街灯の下の植え込みだけが照らされていることで道路との境目がそれと分かる。通り過ぎないように注意しながら徐行し、やがて左手に現れる駐車場の入り口を確認する。
 『夜間の駐車を禁止します』と書かれた錆びかけの看板に沿って左折する。人の気配を感じ急いでヘッドライトのスイッチを捻った。フォグランプだけが湿ったアスファルトを黒く照らす。雨は夕方には上がっていたが、結局路面は湿り気を帯びて冷たい光を反射していた。
 Sの字状の通路をゆっくり進むと、夜の公園の駐車場には奥に二台、反対側に一台の車が停まっていた。どれも運転席をこちらに向けているが、車内の様子は真っ暗でこちらからは人が乗っているのかどうかすら分からない。だが、だからと言ってヘッドライトで照らすことはお互い避けたいはずだ。
 恵子は一番入り口側のスペースに後向きで駐車するとすぐエンジンを止めた。車内が静けさで包まれると耳がツンとする。窓の外を目視とミラーで何度も見返す。公衆トイレの明かりが見えるが、そこにも人影は見つからなかった。
 だれもいない?
 確信はなかったが、逃げ出すほどの危険は無いように思えた。
 どうせ誰もいないんだし。
 そう思いながら、助手席に置いたハンドバッグに左手を伸ばす。反対側に停まっている車の中から誰かがこちらを見ていないとも限らない。ルームランプはつけずハンドバッグの中でスマホの画面を点灯し、その明かりだけで恵子はハンドバッグの隅っこにピンクのリモコンを見つけた。すぐにスマホの画面を消す。手探りで、今見つけたリモコンへと手を伸ばす。確かな感触。五センチほどの金属製のストラップがついている。それを人差し指と中指の間に挟み、残った指でリモコンをつまんで取り出した。子供用の消しゴムくらいの小さなプラスチックの箱。中世の騎士が着ける鎧の面のようなスライドカバーがある。




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