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淫戯日記・恵子 ~続けてもいいですか~
第7章 再会
「一緒に乗ろっ」
という宥倫の言葉に、いいよ、と笑顔を作って言葉にせずに応えた。
 駅構内を左に曲がると、その先に大きく「4」の文字が見える。四番線へ降りる階段で左へ折れる。階段を下っていくと、目の前に次の電車の案内と大きな時計が現れる。発車まであと二分を切っていた。

     4

 階段を下りきると後は人の流れにのる。左側に出てくるりとUターン。階段の脇の狭くなったホームの端をふたりは一列になって歩く。階段脇を過ぎると急にひらける。少し先に人の列が二つ見える。さらに奥にはガラス張りシャフトの中でエレベータの背中が見える。手前側の人の列の後ろに並んだ。
 少し周りを見回してみたが、見覚えのある顔は見つからない。
 てっきり、さっきの電車でこの時間を教えてくれた男は、この列車で待ち伏せするつもりなのかと思っていた。まだ分からない。車内で遭遇する可能性も無くはない。
 そしてまた、あの電車がやってくる。
 遠くで金切音が聞こえ、駅員の笛、続いてどっ、とドアが開く。
 列車が目の前に来ることを期待していた列がどんどんと形を崩し、一つの人の塊りに変わる。
 ドアに飲み込まれる人の塊の一団に加わり、先に宥倫が一歩踏み込んだ。続いて恵子もホームとドアの隙間を踏み越える。二人はぴったりくっつきながら、反対側のドア付近まで押し込まれていった。
 どうやら誰かが意図的に、二人が列車後方に飲み込まれないように無理やり壁になっている。運転席側の壁と反対側のドアとで作られる三角のエリアへと押し込まれていった。こんな場所に立つことはあまり経験がない。
 そこで二人は向かい合わせになった。宥倫と目があう。妖しく口元だけで微笑む。すでに何本かの手が二人の身体に何度も触れていた。腰に、尻に、太ももに。
 周り中から手が伸びているように感じる。
 恵子と宥倫は手を結んだ。指を絡め、決してほどけることの無いように互いの両手を結んだ。
 すぐ近くにいた男は上着を脱いで手に持っている。さっきの電車の中で座ったまま隣の男から受けた手技を彷彿させた。自然を装ってはいるが、着ない上着をわざわざ手に持っているというのはやはり不自然で、きっと手元を隠すため・・・、この人に痴漢されるのかも・・・と想像をしてしまう。
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