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淫戯日記・恵子 ~続けてもいいですか~
第2章 駅にて
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 右側のドアが開いた。乗客は一斉に出口へと向かう。その流れに任せてヒールがぶつからないよう小刻みに歩を進める。ドアレールが見える。その出っ張りにヒールを引っかけることのないよう足下を確認すると、恵子は一気に左足からホームへ降り立った。弾みで二歩だけふらついたが次の二歩ではもう、いつもの恵子の歩き方に戻っていた。ヒールで綺麗に魅せるには胸を張って膝を引き上げ踵から着地する。いつも心掛けていた。
 左の肩から滑り落ちたCOACHのショルダーバッグをかけ直し、両手をショルダーストラップに添えた。
 先頭のドアからはホームの下り階段はホーム中程の方向になる。今来た方に引き返す様に右へ向かう。
 髪が左の目にかかる。
 歩きながら少し俯き、右手の人差し指と中指で額の上の髪の分け目から前髪を少しとると、左の耳にかけるように引き下ろし少し右に頭を傾げた。ひどく熱い。全身に汗をかいていた。
 またショルダーバッグが肩の上で滑り、今度は左手だけでかけ直す。乗り換えと改札に向かう下り階段まではあと少しになっていた。ここへ来てもまだ、恵子の膝もとはおぼつかなかった。

 あんなことがあった後なのだ。
 一歩一歩慎重に、歩くペースを少し落として階段を下る。五歩、六歩…と進んだ辺りでようやく少しリズムに慣れてきた。
 額にも汗が吹き出しているのを感じる。
 とにかく、まず女子トイレを目指した。階段を降りきったところを左へ曲がれば、そのまま改札の横を通り過ぎて進んだ先の左が女子トイレだ。
 さっきまで車内で彼女を凌辱した何者かは、きっと今も恵子の後ろをつけてきているに違いない。今までにもそういう事があった。そのためにも一旦トイレに緊急避難してやり過ごした方がいい。



 
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