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碧の島 2
第1章 多くの家族たち
『一家を殺したのは星野桜』
そう書かれている紙。
よくもこんなこと書けるな。
俺は目線を上に上げ・・・・。
「これ・・・・」
立ち上がり口を開いた時だ。
「いい加減にしなさいッ!!!!!」
・・・・・・。
低くて・・・貫禄のあるその声。
聞き覚えはあるけど、いつもこんな大きな声は上げないその人物。
温厚で・・優しい話し方しかしない、そう思っていた・・・それはきっと島の人間皆がそう思っていたはずだ。
入り口方向を見ると・・・キク爺が・・・。
俺が持っている紙と同じものを右手で握りしめ、杖をつき航と翠と一緒に会場に居る婦人会のオバちゃんと集まっている人に向かって・・・・。
「もう・・・いい加減にしなさい・・・・。」
決して怒鳴らない・・・。
でも・・強い口調でそう言った。