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碧の島 2 
第1章 多くの家族たち



集会所内は一瞬で静まり返った。

ビラを配り歩いていたオバちゃんも、ホワイトボードを用意して居たオバちゃんも一瞬顔を上げたが直ぐに下を向いた。

すると・・・キク爺はゆっくりゆっくり前の方に歩いていき・・・皆の前に立ち・・・。

手に持っていた紙をジッと見つめ・・・。


「よくもこんな事を・・・・」

そう言って下を向き・・・少し肩を震わせたんだ。

・・・・・・。

胸が痛かった。

俺もまた持っていた紙を見て、・・・これを桜が見たらどう思う?

家族の痛ましい事件をまた思い出し、その遺族である桜が一番つらかったのに・・・・。

グッと歯を食いしばると・・・。

「いいか・・・良く聞きなさい・・・」


またキク爺の重く・・・強い言葉が聞こえてくるんだ・・・。

顔を上げると、集会所に居た人間が皆キク爺を見つめていた。

「なんで・・こんなひどい事をするんだ・・・」



たった一言なのに・・・。


心に突き刺さる。



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