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碧の島 2 
第20章 もう殺して



桜side

父が・・・・父が・・・・。

頭の中を駆け巡る父の顔と父との思い出・・・・。

あんなに優しくていつも家族を思ってくれた父。

母はいつも・・・父に愛されて・・・嬉しそうだった。

姉は・・・・。

色々思い出すと自然と体が楽になってきて、もう・・・家族の傍に行ってもいいのかってそう思うと・・・力が抜けたの。

中溝さんは私の前に来るとじっと私の目を見つめ、

「毎日あなたに会社の入口で迎えられて・・・あなたの幸せそうな顔を見て・・・貴方が帰るあの大きなお家・・・さぞかし楽しいんでしょうねってそう思ってた・・・・」

そう言って私のおでこを触り・・・・。

指先で前髪を撫でるようにすると・・・直ぐにその手に力が籠ってグイッと顔を上に上げるようにして髪を掴んだ。

もういい。

好きにすればいい。

殺すなら・・・・

早くして・・・・。

一気に心臓を刺して、・・・・あの人が来る前に・・・・

お願い。

中溝さんは私の口をふさぐ布に・・・キラキラ光るナイフを当てた。

「ねぇ、・・・あの大きなお家での生活・・・楽しかった?」

そう言って・・・ナイフを口元の布に当て、肌に伝わるくらいグッとナイフの先を押し当ててきた。



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