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碧の島 2 
第20章 もう殺して



あの家での生活・・・・。

あの家で・・私は生まれ育った。

小さい頃はまだお爺様とお婆様が居たの・・・・。

中溝さんの目をじっと見つめ子供の頃を思い出す。

小学生に上がったとき・・・皆よりも小柄だった私はランドセルに負けてしまいそうになって・・・。

父がよく後ろから支えてくれて頑張ってお庭で背負う練習をしたっけ・・・。

自転車に乗るのが皆よりも遅かった・・・いつも姉が遅くまで練習に付き合ってくれて父が迎えに来てくれて・・・・。

帰ると母が食事の準備をお手伝いさんと一緒にして・・・・。



夏休みはお爺様とお婆様と一緒に6人で旅行をしたり・・・楽しかった。

何もごまかす気はない。

楽しかったの。

幸せだった。

グッとナイフの先が頬にあたる感覚があっても私は怯まなかった。

いい、・・・殺せばいい。


目をじっと見つめ・・・この布が外されたら言ってやるって思った。


私・・・・。


幸せだった。


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