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碧の島 2
第20章 もう殺して
中溝さんは目をギラギラさせて私の目をじっと睨むようにして・・・・
「何よその目・・・・何よッ!!!!!」
そう言った瞬間・・・グッと頬に何かが当たり・・・・
ッッッ・・・・・・
ずぶっと何かが私の顔に刺さるのがわかったの。
それでも・・・歯を食いしばって目を見続けた。
私の父は・・真面目な優しい・・・最高の父だった。
勇敢でいつも私たちを守ってくれた。
そんな父を・・・。
私はッ・・・・
ズブッ・・・と刺さったナイフの先はゆっくり下におろされ・・・体中が震えるくらい・・・いや・・・もう何も考えられない位の痛み。
中溝さんは私の目を見つめ・・・・少し目を潤ませ・・・・。
「殺してやる・・・・・」
そう言った。
もう・・・。
殺してほしい。
痛みも・・・心の苦しみも・・・この恐怖も・・・もう・・・終わりにしたい。
中溝さんがゆっくり私に突き刺すナイフを抜き・・・ドロッと血があふれて布ににじむ感覚・・・ジワジワ押し寄せる痛み。
私の口をふさぐ布を・・・グイッと下ろした。
空気に触れた傷は更に痛みを感じさせ・・思わず歯を食いしばって眉間にしわを寄せる。