この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
碧の島 2
第21章 狂女
「刺せよッ・・・・・俺を刺せばいい・・・・でもそいつはもうこれ以上傷つけんなッ??」
桜が殺されてしまうなら俺が刺されて終わりにすればいい。
俺は桜の事大好きだけど・・・・
一緒に居たいけど、
桜が居ない世界で生きるなら俺が刺されて桜に生きてほしい。
その時・・・・。
俺の背後から・・・。
「この人たちを殺すのは・・・間違ってる・・・・」
低い声が聞こえた。
真也だった。
真也はゆっくり俺の方に近づき・・・・。
「人を殺めてはいけない・・・・」
そう言った・・・。
女は血走ったような目で俺と真也を交互に見た。
そして・・・・。
「貴方は間違ってる、俺もずっと間違った生き方をしてきた・・・だから今その生き方を変えないともう一生そのままですよ?」
真也・・・・。
女は目を見開き凄い顔で真也を睨み・・・・・。
「私の母は・・・この子の父親に妊娠させられて私が産まれたの・・・・・」
手は震え足もがくがくと震わせながら女はそう言った。
「その後違う男との間に妹が生まれたけど・・・その人は母と結婚することはなく病気で亡くなり・・・私には父と呼べる人はいなかった・・・・」