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碧の島 2
第21章 狂女
女は血だらけの手でナイフを両手で握りしめ真也をじっと睨みそう言ったんだ。
俺はその間にゆっくり・・・ゆっくり・・・倒れてる桜に近づき女の様子を伺った。
「私が高校の時・・・母が癌で・・・亡くなった。祖父母は年金暮らし・・迷惑はかけられない・・・だから私はアルバイトをしながら妹にはちゃんと高校まで行ってほしくって・・・自分の人生を捨てて働いた・・・・」
・・・・・・・・。
女は声を震わせながら自分の話をした・・・。
「母が亡くなる前に・・・ある男性が母に会いに来たの・・・・」
ゆっくり・・・桜に近づくと・・・やっと桜の体に手が触れた。
その時ッ・・・女が勢い良くこっちを向きナイフを俺に向けたッ・・
「その子の父親よッ!!!!・・・・そして私の父でもあるその男は・・・母が亡くなる前に詫びに来たのか知らないけど最後に会いに来たわッ!!!!」
ナイフの先がまっすぐとこっちを向いている。
俺は倒れている桜に覆いかぶさり・・・・。
「あんたの父親だっていうのが本当ならっ・・・こいつもアンタの妹だろッ?????」
そうだ・・・。
もしその話が本当だったら・・・・。
桜はこの女の・・・妹・・・・。