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碧の島 2
第21章 狂女
女はゴクッと唾を飲み込み、今度は俺を睨み・・・・。
「そうよ・・この子は私の妹・・・同じ姉妹なのに生きてきた世界は全く別・・・私は祖父母が亡くなった後本当に毎日つらかった・・・妹の世話も・・・バイトも・・・自分の事なんて何も望めない・・・生きることで精一杯だった!!!!」
・・・・・・・。
「なのに・・・この子は・・・何の不自由もなく毎日楽しく暮らし、欲しいものはすべて手に入れ美味しいものを食べ贅沢な暮らしをしていた・・・その上皆に愛されチヤホヤされて・・・そうやって調子に乗って生きているのを毎日見てた!!!」
その時・・・俺のすぐ下に居た桜の体がぴくッと動き・・・・
顔を床につけ倒れていた桜が・・・・
ゆっくり顔を上げた・・・・。
・・・・・・・ッ????
息が・・・止まりそうだった。
桜の真っ白な頬は・・・無残に両頬がざっくり切り裂かれ・・・顔は血で真っ赤に染まっていた・・・・。
桜は薄っすら目を開けたまま・・・・
体を震わせ女を見つめ・・・。
俺に支えられながら・・・・。
「・・・ごめん・・・なさ・・・・」
ポロっと涙を流し・・・そう言った。