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碧の島 2
第21章 狂女
女はナイフを持った手を震わせたまま桜を睨み・・・・。
「あんた等金持ちで・・・皆にチヤホヤされて・・・・男に困らない・・嘸かし楽しい人生だったでしょうね????」
・・・・・・・・。
桜は力尽きたのか俺の肩に寄りかかり項垂れた。
ぎゅっと桜の肩を抱き・・・・。
「桜はそんな女じゃない・・・・」
変わり果てた桜の姿を目の前にし、・・・悔しさが溢れた。
自分の手も震えていた・・・。
こんな女・・・ぶん殴ってやりたい。
でも今桜を離せない・・・・・。
俺は女の目を見て・・・・。
「そんな上っ面判断ではなく・・・俺は桜という人間が・・・・アンタより何十倍も良いと思える・・・・」
俺何言ってんだ・・・・。
何を言ってるかよくわからないけど・・・・。
未だ血が流れる桜の顔を自分の胸に押し当て・・・・。
「誰かを恨んだり妬んだりしか出来ないって・・・・・」
俺だって・・・・。
嘗てはそうだったんだ。
妬んで・・・妬んで生きてた。
でもそんな生き方は・・・・。
「悲しすぎる・・・・・」